「仕事は一切お願いしません。会議にも出ないでください」
教員によるパワハラで自殺者が出てしまいました…
59歳の男性教員がパワハラで30代女性教員を追い詰め、精神的に不安定な状態にさせ、結果的に女性教員の自殺を招いたそうです。
わいせつ行為が続々発覚している教員ですが、パワハラの面でも中々に激しいようです(^^;
しかも結果的に人一人が亡くなって停職3か月…
この教員が子供たちのいる教育現場に戻ってくることが恐怖でしかありません。
本記事では懲戒処分の内容、宮城県の教員の懲戒処分事例についてまとめてみました。
【2024年2月13日追記】
本件に進展がありました。宮城県教育委員会は本件を受けて、パワーハラスメントに関して免職規定を追加するようです。
全国のパワーハラスメントに関する規定についても調査しましたので、詳細はこちらの記事をご参照ください。
ここ最近の教員のわいせつ事件の記事はこちらをご参照ください。
宮城県59歳の男性高校教員がの30代女性教員にパワハラで停職
宮城県教育委員会の教育委員会関連報道発表によりますと、宮城県の高等学校の59歳の男性教員が執拗に30代の女性教員にパワハラを行い、精神的に不安定な状態にさせ、結果的に女性教員の自殺を招いたことにより停職3カ月の処分になったとのことです。
以下宮城県教育委員会の報道発表資料から引用します。
6 事件・事故の概要
当該職員は、令和2年6月2日、会議の場において、他の職員もいる前で、主任と若手職員の関係であった同僚職員に対し、業務の内容について当該同僚職員を執拗に追い詰めていくような態様で問い詰めた。この日以降、両者の間の業務上の伝達はメモを用いることとなった。
当該職員は、同年7月31日、当該同僚職員に不満をぶつける内容の手紙を当該同僚職員の机の上に置いた。
その後、メモを出すことを管理職から止められたにもかかわらず、当該職員はメモを継続し、メモには当該同僚職員を非難するような内容のものも含まれていた。
当該職員は、同年10月22日、職務から排除する旨の内容を記した手紙を当該同僚職員の机の上に置いた。
一連の行為により、当該同僚職員を精神的に不安定にさせた。その後、当該同僚職員は自死した。
引用:宮城県教育委員会,”職員の処分について”,2024-2-2,https://www.pref.miyagi.jp/documents/50680/20240202_syokuinnnosyobunnnituite.pdf
まず驚くべきは令和2年、2020年に起きた事案だということです。
人一人の死を招いて処分が下ったのが2024年です…
遅すぎますよね。
その間この男性教員は勤務をしていたんですよね?
あり得ないことだと思います。
7月31日のメモですが、ニュース記事をいくつか読みましたが、この不満というのが男性教員のことを女性教員が避けていると感じたことに対する不満とのことです。
そりゃパワハラしてくる人間のことを避けるのは当たり前ですよね。
そんなことも分からないのでしょうか。というか思考が短絡的過ぎて…(^^;
さらに悪質なのが、7月31日付けのメモが原因でメモを出すことも止めるよう指示を受けたのにも関わらず、メモを出し続けた点です。
管理職からの命令に背く行為ですから、パワハラだけではなくこの点に関してもしっかり懲戒対象として考慮してほしいところですが、停職3か月の中にこの行為は含まれているのでしょうか。
そして極めつけは10月22日のメモです。
約4か月続いた最後にあたるこのメモが女性教員の命運を決めてしまいました。
宮城県教育委員会の記者発表資料では、「職務から排除する旨の内容」とぼやかした表現ですが、実際には以下のような内容のようです。
「仕事は一切お願いしません。会議にも出ないでください」
引用:NHK.”宮城 4年前の教諭自殺 同僚のパワハラ原因 停職3か月 懲戒処分”,2024-2-2,https://www3.nhk.or.jp/news/html/20240202/k10014345661000.html
こんなこと職場で言われたら萎縮してしまうどころか、精神的にやられてしまいます…。
この言葉が相手に与える影響を全く想像できないのでしょうか?
約4カ月もの間、管理職が止めろと言っても止めず、メモでネチネチ精神攻撃を受けたこの女性教員のダメージは計り知れないと思います。
このメモがダメ押しとなり、女性教員を死に誘ったと言っても過言ではないのではないでしょうか。
そしてこの男性教員の弁明はこちら。
「本当に残念です」
引用:NHK.”宮城 4年前の教諭自殺 同僚のパワハラ原因 停職3か月 懲戒処分”,2024-2-2,https://www3.nhk.or.jp/news/html/20240202/k10014345661000.html
どの口が言っているんだ?と思わずにはいられません。
教員不足と言いながら、教員が教員を潰していたら意味がありません。
やはり絶対的な「量」が不足すると「質」も必然的に低下することの証明のような事件だと思います。
未だにこんなパワハラする教員がのさばっているなんて…
神戸市東須磨小学校の教員いじめ事件というものがふと頭をよぎりましたが、やはり教員という狭い世界で生き続けると一定数こういう教員が生まれてしまうものなのでしょうか。
この男性教員の懲戒処分は停職3カ月ですが、3か月で現場に戻ってくるなんて信じられません。
依願退職したとの報道も見当たりませんし、こうやってパワハラ教員が残り続けパワハラが常態化した職場だけが残るのでしょうね…。
教育委員会には処分が甘いのではないかとの指摘もあったそうですが、妥当との判断とのことです。
正気か?(^^;
「他県の例や処分基準に従った。自死という結果も重くみて判断した」
引用:FNNプライムオンライン,”「仕事は一切お願いしません」執拗なパワハラで女性教師“自殺”…追い詰めた男性教師「二度とないよう決意」停職3ケ月で教育現場に復帰へ 【宮城発】”,2024-2-2,https://www.fnn.jp/articles/-/652070
気になったのは「自死という結果も重くみて判断した」、その結果が停職3か月…
あまりにも人の死を軽く判断しているのではないでしょうか。
「仕事は一切お願いしません」執拗なパワハラで女性教師“自殺”…追い詰めた男性教師「二度とないよう決意」停職3ケ月で教育現場に復帰へ 【宮城発】 #FNNプライムオンライン #仙台放送 https://t.co/vixIZ3oQIN
— FNNプライムオンライン (@FNN_News) February 2, 2024
教員の懲戒処分の種類について
教員の懲戒処分の種類には、戒告、減給、停職及び免職が存在します。
懲戒処分の基準などについてまとめた記事はこちらの記事を是非ご参照ください。
各自治体によって多少差はあるものの、大体似通ったような基準を定めております。
宮城県教育委員会の懲戒処分の基準について
宮城県教育委員会においても教職員に対する懲戒処分原案の基準を公表しております。
パワー・ハラスメントに関しては以下のような基準が示されております。
5 ハラスメント関係
(3)パワー・ハラスメント
パワー・ハラスメントを行った場合は,停職,減給又は戒告とする。
引用:宮城県教育委員会,”教職員に対する懲戒処分原案の基準”,https://www.pref.miyagi.jp/documents/16988/725033.pdf
宮城県の懲戒処分基準ではパワー・ハラスメントとして処分基準が規定されていました。
しかし規定を見てみると、なんと免職とはならない規定です。
しかし仮に停職だったとしても、3か月という期間はどうやって決めたのでしょうか。
6か月や12か月にすることだってできたはずです。
「他県の例や処分基準に従った」とのことですが、他と比較するのではなく、個別案件ごとに判断し、本件は人の死を招いたのですからたった3か月?というのが個人的な感想です。
そもそも免職の規定を設けていないのが既に制度の不備以外の何物でもないと思います。
私にはパワハラで追い詰め、結果的に人の死を招いたのにたった3か月の停職で済んでしまうことが納得もいかないし、恐ろしすぎます。
他の自治体の懲戒処分基準は以下の記事を是非ご参照ください。
神奈川県の懲戒処分の基準はこちらの記事をご参照ください。
山形県の懲戒処分の基準及び退職金不支給を争った裁判についてはこちらの記事をご参照ください。
埼玉県の懲戒処分の基準はこちらの記事をご参照ください。
栃木県の懲戒処分の基準はこちらの記事をご参照ください。
2023年度宮城県の教職員の懲戒処分事例
今回宮城県の高等学校の教員がパワハラにより停職処分となりました。
そこで2023年度の宮城県の現時点(2024年2月3日現在)での宮城県教育委員会が公表した懲戒処分の事例について調べてまとめてみました。
No. | 発令日 | 校種 | 職名 | 年齢 | 処分の程度 | 処分理由 |
1 | 2023/07/14 | 宮城県立角田支援学校 | 教諭(実名公表有) | 53 | 免職 | 令和5年5月12日、角田市内のスーパーマーケットにおいて、メロン1個とマスク1箱(販売価格合計1,825円)を盗んだところ、窃盗容疑で現行犯逮捕され、令和5年7月6日付けで窃盗の罪により罰金20万円の略式命令を受けた。 |
2 | 2023/07/14 | 高等学校 | 教育職員 | 40 | 免職 | 令和4年10月から同年12月上旬までの間、勤務する高等学校内で、同校に在籍していた女子生徒の身体を抱きしめる行為を複数回行った。また、令和5年3月17日及び同月28日、校外で同生徒にキスをした。 |
3 | 2023/07/14 | 高等学校 | 教育職員 | 40 | 停職6月 | 平成22年4月から令和5年2月までの間、自身が勤務した高等学校において学級担任等で関わりのあった10名の女性に対し、当該女性らが高等学校を卒業後、教師という立場を利用して、電話番号によるショートメッセージやSNSのメッセージ機能等を用い、性行為の勧誘をはじめとする性的な内容を含む文章を複数回にわたり送信し、相手方に不快感を与える言動を行った。 |
4 | 2023/07/14 | 中学校 | 教育職員 | 44 | 停職12月 | 令和5年2月7日、同僚の女性を家まで送ると誘い自家用車に乗せた後、立ち寄った道の駅や車内で、当該女性にキスをする等の行為をした。こうした行為によって、当該女性に恐怖心と不快感を与えた。 |
5 | 2023/07/14 | 小学校 | 教育職員以外 | 55 | 戒告 | 令和3年度の特別支援教育就学奨励費に関する保護者への通知を怠り、計178,759円の支給を令和5年3月まで遅延させた。また、過年度処理となったため、国からの補助を受けることができず、市町村に対して89,000円の損害を発生させた。 |
6 | 2023/09/07 | 蔵王高等学校 | 技師(実名公表有) | 55 | 減給3日 | 令和5年8月5日(土)午後3時48分頃、自宅において親族に対し暴行を加え、加療約1週間を要する傷害を負わせたところ、傷害容疑で現行犯逮捕され、令和5年8月16日付けで傷害の罪により罰金20万円の略式命令を受けた。 |
7 | 2023/11/22 | 白石工業高等学校 | 主査(実名公表有) | 64 | 免職 | 自身が担当していた学校徴収金の預金口座から無断で現金を引き出し、総額3,244,300円を私的に流用した。 |
8 | 2023/11/22 | 白石工業高等学校 | 不明(管理職) | 60 | 減給3月 | 会計処理上の正式な手続を行わずに、複数枚の白紙の払戻請求書に銀行印を押印し、No.7の主査に渡し、私的流用に使用された。 |
9 | 2023/11/22 | 白石工業高等学校 | 不明(管理職) | 59 | 戒告 | No.7の職員に関する管理監督が十分に行われなかった。 |
10 | 2023/11/22 | 白石工業高等学校 | 不明(管理職) | 57 | 戒告 | No.7の職員に関する管理監督が十分に行われなかった。 |
11 | 2024/01/17 | 中学校 | 教諭(実名公表有) | 33 | 免職 | 令和5年9月20日頃から同年10月3日頃までの間、複数回、自身が勤務する中学校の卒業生である女子生徒を自家用車に乗せ、商業施設に駐車中の車内及び車外において、抱きしめる等の行為をした。また、当該職員は、この間、当該女子生徒に対し、胸を触りたい等の卑猥なメッセージを送った。 |
12 | 2024/01/17 | 宮城県石巻工業高等学校 | 実習助手(実名公表有) | 24 | 免職 | 令和5年9月9日午前1時30分頃、直前まで飲酒していたにもかかわらず10分程度自家用車を運転し、途中路肩に駐車して眠っていたところ、同日午前2時頃、警察官から呼気検査を受け、1リットル中0.5ミリグラムのアルコールが検出されたことから、同年12月27日付けで道路交通法違反により罰金30万円の略式命令を受けた。 |
13 | 2024/02/2 | 高等学校 | 教育職員 | 59 | 停職3月 | 当該職員は、令和2年6月2日、会議の場において、他の職員もいる前で、主任と若手職員の関係であった同僚職員に対し、業務の内容について当該同僚職員を執拗に追い詰めていくような態様で問い詰めた。この日以降、両者の間の業務上の伝達はメモを用いることとなった。 当該職員は、同年7月31日、当該同僚職員に不満をぶつける内容の手紙を当該同僚職員の机の上に置いた。 その後、メモを出すことを管理職から止められたにもかかわらず、当該職員はメモを継続し、メモには当該同僚職員を非難するような内容のものも含まれていた。当該職員は、同年10月22日、職務から排除する旨の内容を記した手紙を当該同僚職員の机の上に置いた。 一連の行為により、当該同僚職員を精神的に不安定にさせた。その後、当該同僚職員は自死した。 |
確認できる限りでは、処分件数は13件でその内訳は下表のとおりでした。
処分の種類 | 件数 |
免職 | 5 |
停職12月 | 1 |
停職6月 | 1 |
停職3月 | 1 |
減給3月 | 1 |
減給3日 | 1 |
戒告 | 3 |
合計 | 13 |
最も処分の重い免職処分が5件で最多となりました(^^;
宮城県は戒告や減給処分も公表しているので、免職や停職しか公表しない自治体よりは情報公開の透明性は高いと思います。
パワハラで精神的に追い込み、結果的に人一人の死を招いて停職3か月…
一方でNo.3の事案ではSNSで性的なメッセージを送って停職6か月…
No.3の事案も卑劣で許しがたい行為ではありますが、どう考えてもこの処分の重さが本件には見合っていないと思えてしまいます。
宮城県の方々は、この処分基準のままで良いのでしょうか。
是非処分基準の厳罰化に向けて声を上げて頂きたいです。
本記事ではニュースの内容、宮城県の教師の懲戒処分事例についてまとめてみました。
「仕事は一切お願いしません。会議にも出ないでください」
こんな言葉を自分が言われたら…と思うと女性教員の心中は穏やかではなかったでしょう。
その証拠にこのメモの翌日に女性教員は自ら命を絶ってしまいました…。
「言葉は刃物」
とはまさに今回の件を如実に表している思いました。
最後までお読みいただきありがとうございました。
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