公立中学はやばい?「公立中学に行きたくない」が中学受験理由第2位に

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公立中学やばい中学受験

Yahooニュースに小学生に聞いた中学受験の理由という興味深い記事がありました。

1位は「行きたい学校があるから」2位は「地元の公立中学に通いたくないから」3位は「おうちの人のすすめ」と記載されていました。

個人的に衝撃的だったのは、2位にネガティブな理由が来ていたことです。

また、公立中学校で検索するとサジェストに「公立中学校 やばい」が表示されました…。

この記事とサジェストを見た時に「そんなに嫌なのか?」と疑問に思い、公立中学について調べてみました。

文部科学省の「令和3年度児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査結果」によりますと、生徒間暴力において生徒1,000人当たりの発生件数は公立が5.5、私立が2.4、国立が3.5となっており、確かに割合で考えると公立中は荒れている傾向にあることがわかりました。

ただし、この結果は地域などは一切考慮した結果ではありません。

本記事では公立中学の特徴や公立中学へ進学することのメリット・デメリットについて調べてまとめてみました。

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小学生の中学受験理由とは?

2月27日のYahooニュースにて、小学生の中学受験理由のアンケート結果を公表する記事がありました。

アンケート結果については以下のような記載が記事の中にありました。

中学受験をする理由の1位は「行きたい学校があるから」(65%)だった。2位は「地元の公立中学に通いたくないから」(38%)、3位は「おうちの人のすすめ」(35%)と続いた。

引用:アイティメディア㈱, “小学生に聞いた「中学受験」の理由 2位「地元の公立中学に通いたくない」、1位は?”, ITmediaビジネス ONLiNE, 2022-02-27, https://news.yahoo.co.jp/articles/13947dcf102680c1738dd220fec745fde26e84e5
(参照 2023-2-27)

こちらのアンケートはニフティが運営するニフティキッズのアンケート調査結果で、2022年12月30日~2023年1月23日にアンケートが行われ、有効回答数は2042人でした。

なお、複数回答が可能なため、パーセンテージの合計は100%にはなりません。

1位の理由には非常に納得できたのですが、2位の理由が非常にネガティブな印象を受けました。

このアンケートを見て、公立中学について調べてみようと思いました。

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公立中学の特徴について

公立中学は市町村などによって設立され、基本的にその中学の学区内であれば誰でも通うことが可能です。

中学受験をした結果、不合格になってしまった子もいれば、中学受験をそもそも受けていない子もいます。

そうなると生徒間の学力差は自然と開いてしまいます。

また、私立と異なり公立中学校の教育方針は、市町村ごとに画一的になっているのが一般的です。

授業料もかからず、経済的な負担が少ないのも大きな特徴の一つと言えるでしょう。

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私立中学と公立中学で学力差はあるのか?

よく言われるのが私立中学と公立中学で学力差があるのではないかと言うことです。

これに関しては、私立中学は中学受験を皆経験して学力向上に務め、学習習慣も身に付いているのに対し、公立中学ではそもそも勉強に対して熱心でない子もいます。

下のグラフは国立教育政策研究所が公表している「令和3年度全国学力・学習状況調査」の公立及び私立の国語・数学の平均正答率をグラフ化したものです。

出典:国立教育政策研究所, “令和3年度全国学力・学習状況調査”, 2021 https://www.nier.go.jp/21chousakekkahoukoku/factsheet/data/21m_204.pdf https://www.nier.go.jp/21chousakekkahoukoku/factsheet/data/21m_202.pdf

このグラフからも分かるように、私立の方が平均正答率が高いです。

数字の上からも私立の方が学力が高いと言えるでしょう。

ただし、公立中にも地域差がありますので、全ての公立中が私立中よりも学力が低いと短絡的に考えることはできないと思います。

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公立中学のメリットについて

ここで公立中学のメリットについて考えてみたいと思います。

経済的負担が軽い

公立中学の特徴でも申し上げた通り、経済的負担が軽いのが最大のメリットではないでしょうか。

下のグラフは私立中学と公立中学の学習費総額を比較したものです。

出典:文部科学省, 令和3年度 子供の学習費調査の結果について(令和4年12月21日)https://www.mext.go.jp/b_menu/toukei/chousa03/gakushuuhi/kekka/k_detail/mext_00001.html

学習費総額は私立中学が約144万円に対し、公立中学は約54万円となっており、公立中学は私立中学の約0.4倍の経済的負担で済むことが分かります。

この差は非常に大きいのではないのでしょうか。

人付き合いが上手くなる

公立中学は学区内であれば誰でも通えます。

経済的に裕福でない家庭の子供や一般的に不良と言われるような子供など多種多様な子供が入学してきます。

それと比較して私立中学は子供の性格は違っても、学力は一定以上で揃っており、目指すべき方向性も類似していることが多いと思われます。

公立中学の多様性に富んだ子供たちの中で学校生活を送っていく中で、誰とでも上手く付き合えるスキルを身に付けられるかもしれません。

地元の友人たちと学校生活を送れる

公立小学校からそのまま公立中学校へ進学すれば、小学校6年間を共に過ごしてきた地元の友人たちと再び学校生活を送ることが可能です。

小学生時代に損得勘定なく純粋に仲良くなった友達とまた中学生になっても過ごせることは子供にとっては非常に嬉しいことではないでしょうか。

特に友人の多い子供にとっては、中学受験で地元ではない中学校に通うことになるのはショックなことかもしれません。

通学に便利

中学校の学区は基本的に狭く徒歩圏内ですので、通学には非常に便利と言えるでしょう。

通学時間がかからない分、好きなことや習い事に時間を費やすことも可能です。

時間的なアドバンテージを利用して、高校受験に備えるのも良いでしょう。

公立中学のデメリットについて

続いて公立中学のデメリットについて考えてみたいと思います。

高校を受験しなければならない

公立中学に進学した場合、私立中学と異なり高校受験しなければならなくなります。

中高一貫教育の私立であれば、中学と高校でカリキュラムが途切れることなく連続的に組まれているので、前倒しで授業を進めていくのが一般的です。

そのため時間的なアドバンテージが生まれ、高校3年時には大学受験に集中でき、大学受験に有利に働くこととなります。

大学進学を希望するのであれば、公立中学の場合は高校受験し、さらに大学受験をしなければならず、私立中学と比較すると時間的には不利になると思われます。

高校の選択肢が狭まる

近年の私立の中高一貫校の傾向として、高校からの生徒募集を停止している学校が増えてきています。

具体例を挙げると2019年度に成城、2021年度に本郷、2022年度に豊島岡女子学園などが高校募集を停止しています。

これは中高一貫校の場合、授業を先取りできるメリットはありますが、高校募集があると高校から入学してきた生徒のためにカリキュラムを別に用意する必要があります。

カリキュラムが二つあればもちろん先生方の負担になります。

また、高校から入学した生徒が中学から入学した生徒に追いつくための勉強量が増大し、負担になることもあります。

このような背景からも高校募集を停止し、完全中高一貫教育へシフトする流れができているようです。

教師の異動が頻繁にある

市町村が所管する公立中学では、市町村内での異動が定期的にあります。

これは公務員であれば致し方の無いことかもしれません。

せっかく良い先生に出会ったのに、すぐ異動でいなくなってしまった…。

なんてことも起こり得ます。

子供によってはショックを受ける可能性もあります。

生徒間の学力差が大きい

公立中学では中学受験の末に進学してきた子供と中学受験をせずに進学してきた子供の双方が混在しています。

そうなると生徒間の学力差があり、授業の進度をどうしても理解が遅い生徒に合わせる必要が出てきます。

そうなると学力がある生徒にとっては学校の授業はつまらないものになってしまう可能性があります。

以前日テレで放映されていた「女王の教室」でも、小学校のお話ではありますが、同様のシーンが描かれています。

「女王の教室」は天海祐希さん演じる阿久津真矢先生が、教室を恐怖統治するのが見所のドラマでした。

もっともこの恐怖統治は阿久津先生なりに生徒のためを思ってしたことです。

教師になりたての頃の阿久津先生は非常に夢や理想に燃え、どの生徒に対しても優しい、絵に描いたような良い先生でした。

しかしその優しさが仇となり、授業を上手く回すことができず、学力の高い生徒と学力の低い生徒の間で板挟みになる描写があります。

公立の小学校及び中学校での授業中での学力差に起因する問題を端的に表現できていたと思います。

臨機応変な対応ができない

コロナ禍で私立中学はICT機器を積極的に導入し、配信型の授業を実施して、授業に遅れが生じないよう各校努力をしていたようです。

その一方で、公立中学では配信型の授業は普及しなかったようです。

予算の関係もあるのかもしれませんが、異常事態が起きた際に柔軟な対応が公立中学では難しいのが実情のようです。

治安が悪い場合がある

公立中学は誰でも入れるため、当然のことながら多種多様な生徒で構成され、中には粗暴な生徒もいることかと思います。

また、公立中学について調べていると「荒れている」、「素行が悪い」などの見解が散見されます。

実際に凶悪な事件が起きていたりするため、このような先入観を持ってしまうのは致し方の無いことかもしれません。

それでは「数字の上でも荒れているのか?」と疑問に思い調べてみました。

次の項で詳細を記載します。

公立中学の治安について

文部科学省では「児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査」というものを実施しています。

その中に対教師暴力、生徒間暴力、対人暴力、器物損壊といった調査項目があります。

本記事ではこれらの項目に着目し、下記にグラフで示してみました。

なおそれぞれの問題行動の例は以下のとおりです。

対教師暴力・・・教師の胸倉をつかんだ、教師の腕をカッターナイフで切りつけた等

生徒間暴力・・・同じ学校の生徒同士がけんかとなり、双方が相手を殴った等

対人暴力・・・学校行事に来賓として招かれた地域住民に足蹴りした等

器物損壊・・・教室の窓ガラスを故意に割った、トイレのドアを故意に壊した等

どの例も犯罪行為以外の何物でもないですよね…(^^;

出典:文部科学省, “児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査-用語の解説”,https://www.mext.go.jp/b_menu/toukei/chousa01/shidou/yougo/1267642.htm(参照 2023-02-27)

出典:文部科学省, 令和3年度児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査結果https://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/seitoshidou/1302902.htm

上記のグラフは国立72校、公立19,173校、私立242校を対象とした調査です。

公立中学が全体の約98.4%を占めておりますので、発生件数だけを単純比較することはできません。

そのため発生件数とともに、生徒1,000人当たりの発生件数も併せて示しています。

対教師暴力では生徒1,000人当たりの発生件数は公立が0.8で私立及び国立が0.1となっております。

生徒間暴力では生徒1,000人当たりの発生件数は公立が5.5、私立が2.4、国立が3.5となっております。

対人暴力では生徒1,000人当たりの発生件数は公立が0.1、私立が0.0、国立が0.1となっております。

器物損壊では生徒1,000人当たりの発生件数は公立が1.4、私立が0.4、国立が1.0となっております。

問題行動全般に言えることとしては、発生件数は公立が突出して多く、生徒1,000人当たりの発生件数で考えると公立中の件数が高い傾向にあることがわかります。

また、対教師暴力や対人暴力に関して言えば、私立及び国立ではほぼ発生していないというレベルだと言うことも分かりました。

生徒間暴力と器物損壊は公立、私立、国立全てにおいてまとまった件数が発生していることが分かりました。

生徒1,000人当たりの発生件数で差が最も出たのは、生徒間暴力でした。

いくら公立での問題行動発生件数が多いとはいえ、割合でみると年上である教師や地域住民などへの問題行動は少なく、同年代の生徒間における問題行動の方が多いようです。

ただし、発生件数は認知されて報告された件数のため、報告から漏れている件数があるかもしれないことに注意が必要だと思います。

さらに、調べていく中で公立中は地域によってかなり通っている生徒の層が異なるとの声も散見されました。

グラフの結果はあくまで全国の調査結果であり、地域差を見ることができません。

残念ながら、公立、私立、国立の中学校を地域別に集計した結果は「児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査結果」の中には見当たりませんでした。

保護者の立場からすると欲を言えば学区ごとの詳細な集計結果があると少しは参考になるのかなとは思います…(^^;

集計の手間暇を考えると難しいのかなと思いつつも、個々の学校ごとにデータを提出させているはずなのでICT技術とAI技術でいかようにもデータをまとめられるのではないかとも思ってしまいます…(^^;


本記事では、最近の小学生の中学受験理由を知ったことをきっかけに公立中学についてまとめてみました。

文部科学省の「令和3年度児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査結果」から、生徒間暴力において生徒1,000人当たりの発生件数は公立が5.5、私立が2.4、国立が3.5となっており、確かに割合で考えると公立中は荒れている傾向にあることがわかりました。

繰り返しになりますが、全国のデータであり、本調査は学区別などの詳細なデータではありません。

そのためこの調査結果だけで判断することは難しいと考えるので、参考程度に考えて頂ければと思います。

やはり人伝の口コミ情報などで地元の公立中学の情報を集めるほかないと思いました。

公立中学のメリット・デメリットをよく考えて、中学受験を検討することをお勧めいたします。

最後までお読みいただきありがとうございました。

併せてこちらの記事も是非お読みください!

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