今年小学1年生の息子が2022年6月の実用英語技能検定(英検)で5級を取得しました。
そんなことから中学受験に英検取得は有利に働くのか?英検取得で優遇措置はあるのか?という疑問が湧き、調べてみました。
結論から申し上げますと、英検取得は中学受験で有利になり、優遇措置もあります!
この記事では主に以下の点について記載しています。
- 中学受験前の小学生が英検を取得するメリット
- 英検取得による中学受験の優遇措置
- 小学生が目指すべき英検の取得級数
英検取得で中学受験で有利なポジションと優遇措置を獲得しましょう!
英検以外に役立つ資格・検定試験についてはこちらの記事を是非お読みください!
英検とはどんな資格なのか
英検は正式名称を実用英語技能検定といい、公益財団法人日本語検定協会が実施する英語技能検定のことを言います。
その歴史は古く、1963年から検定が開始されました。
英検には1級から5級まであり、レベルは下表のとおりです。
受験者層は非常に幅広く、小学生以下のお子様もいれば、社会人や年配の方までいらっしゃいます。
英検は海外留学時の語学力証明資格に用いられたり、単位認定や入試の優遇措置に適用されることもあります。
中学受験における優遇措置については後ほど詳しくご紹介します。
級 | レベル | 日本の学校教育 |
1級 | 広く社会生活で求められる英語 | 大学卒業程度 |
準1級 | 社会生活で求められる英語 | 大学中級程度 |
2級 | 社会生活に必要な英語 | 高校卒業程度 |
準2級 | 日常生活に必要な英語 | 高校中級程度 |
3級 | 身近な英語の理解と使用 | 中学卒業程度 |
4級 | 簡単な英語の理解と表現 | 中学中級程度 |
5級 | 初歩的な英語の理解と表現 | 中学初級程度 |
中学受験前の小学生が英検を受けるメリットについて
英検の取得自体には様々なメリットがありますが、中学受験前の小学生が英検を受けるメリットとは一体何があるのでしょうか?
メリットと優遇措置などを調べてみました。
以下、詳しく見ていきたいと思います。
英検必須の中学校に出願可能になる
特定の級以上の英検の取得が出願条件の一つになる場合があります。
つまり提出書類の一つが英検の合格証明書になります。
特定の級に達していないと出願することすらできません。
受験前に並行して英検の試験対策を行うのは大変かもしれませんが、英検取得の段階で受験生がふるいにかけられているとも言えます。
得点が加点される
特定の級以上の英検を取得していることで、試験に加点される場合があります。
条件や加点点数については各中学校で異なりますので、事前の確認が必要です。
1点をしのぎ合う受験戦争において、資格さえ取得してしまえば確実に加点される英検取得は非常に魅力的ではないでしょうか。
また、試験開始前から自分は有利な状態で臨めると認識していれば、試験に対するプレッシャーも軽減されると思われます。
このように単純に加点されるだけではなく、精神的な面でも有利に立てるので、事前に英検で加点されると分かっているのであれば、英検を取得しない手は無いと思います。
学科試験が免除される
英検を取得していることで、英語の学科試験が免除となる中学校もあります。
条件は各学校で異なるため、確認が必要です。
英語の1教科が免除となれば、他の教科に割り当てる勉強時間も増やすことが可能です。
時間的なアドバンテージを手に入れられるのは非常に大きなメリットと言えるでしょう。
英検による学科試験の免除の有無は必ず確認しておきたいポイントです。
また1教科免除というだけでも心にゆとりが生まれ、精神的にも楽になるかと思います。
何度も受験可能な英検で精神的なゆとりを手に入れるか、中学受験に全てをかけるか・・・
言うまでもなく何度も受験可能と思えばプレッシャーのかかることがない英検で有利なポジションに立ち、精神的に楽にさせてあげたほうが子供のためにもなるのではないでしょうか。
ボーダーラインの時に優遇、評価参考となる
中学受験では合否のボーダーライン上に多くの受験生が存在している場合も珍しくありません。
そんな時に英検が合否判定の際に考慮されるケースもあります。
こちらについても各中学校で条件が異なりますので、事前の確認が必要です。
奨学金を得ることができる
英検を取得していると奨学金給付の対象となる場合があります。
奨学金の給付対象となっているかどうかは中学校によりますので、英検を既に取得しているまたは英検を取得予定の方は志望校について確認することをおすすめします。
経済的な面でメリットになることは、私立中学に通うご家庭にとっては嬉しい限りです。
実利があることからも英検取得はしておいて損はないと思います。
英語入試を採用している中学校はどのくらいあるのか?
2020年度から新学習指導要領により、小学校での英語教育が必修となりました。
またこの影響もあり中学受験に英語入試を採用する中学校も増加傾向にあります。
首都圏模試センターによると2022年の首都圏中学入試では計146校が英語入試を実施したとのことでした。
今春2022年の首都圏中学入試では、計146校(昨年143校)が「英語(選択)入試」を実施しました。
首都圏模試センター https://www.syutoken-mosi.co.jp/
首都圏の私立中学校が約300校あることから、約50%が英語入試を導入していることが分かります。
正直なところすでに半数もの中学校が英語入試を導入していたとは知りませんでした。
英語入試が必須になる日もそう遠くなさそうです。
英検取得による優遇制度を入試に採用している中学校
中学受験において英検取得による優遇制度を取り入れている中学校はどのような内容の優遇措置を取り入れているのでしょうか?
対象となる英検の級は幅が広く、また優遇措置の内容も異なりますので試験前の確認が必要です。
東京、神奈川、千葉の各中学校の入試要項を参考にして下記優遇措置の内容をにいくつかまとめてみました。
東京
中学校名 | 優遇内容 |
駒込 | 準2級以上:英語試験免除、全員特待生の対象となり、入学後は英語の授業を別枠で受ける。 3級:加点があり |
淑徳巣鴨 | 3級以上:英語試験免除 |
聖徳学園 | 4級以上:20点加点 |
貞静学園 | 3級以上:英語試験免除 |
武蔵野大学 | 準2級以上:英語試験90%成績保証 3級以上:英語試験70%成績保証 |
共立女子 第二 | 準2級以上:英語と英語面接試験免除 |
実践女子 学園 | 2級以上:100点加点 準2級:80点加点 3級:60点加点 4級:50点加点 |
昭和女子大学 附属昭和 | 2 級以上:英語試験免除 |
神奈川
中学校名 | 優遇措置 |
関東学院 六浦 | 4級以上:優遇措置あり |
湘南白百合学園 | 英検3級以上を得点化 準1級以上:100点 2級:90点 準2級:70点 3級:30点 |
千葉
中学校名 | 優遇措置 |
昭和学院 | <英語みなし得点/加点> 準 1 級以上:100 点 /30 点 2 級:90 点 /25 点 準 2 級: 80 点 /20 点 3 級:60 点 /15 点 4 級:––––– /10 点 5 級:––––– / 5 点 |
英検を中学受験で活用する際の注意点
中学受験における英語入試の増加とともに英検取得者を優遇する制度を設ける中学も増加傾向と言えます。
英検取得者を優遇する制度の恩恵を受けるためにも英検取得に注力するのも良いですが・・・。
中学受験における英検を活用する上での注意点について見ていきたいと思います。
英検取得に注力しすぎない
これは当然のことですが、英検の取得に注力しすぎて他の教科の勉強が疎かになってしまっては本末転倒です。
英検取得を目指すにしても受験勉強がピークになる前に取得するのが理想的です。
欲を言えば中学2年生の夏前までには対象とする英検を取得していたいところ・・・。
また2023年の入試においても御三家の開成、麻布、武蔵をはじめ偏差値の高い上位中学校では英語入試が導入されておらず、そのためそもそも英検取得の恩恵を受けられません。
最初から上位の難関中学を目指す明確な目標があるのであれば、むしろ英検取得の勉強時間がもったいないと言えます。
英検の勉強時間を国語、算数、理科、社会の勉強時間に割いたほうが合格の可能性がより高まります。
志望校の選定に関わることなので、お子様の希望と保護者の方の考え方をよく擦り合わせておく必要があると言えるでしょう。
英検以外の資格が対象の場合がある
英語入試を導入しているからと言って、英検だけが優遇措置の対象とは限りません。
例えば東京の広尾学園中学校ではTOEFL iBTスコア90以上の場合は、スコアの提出で英語試験免除となります。
このように英検だけが優遇措置の対象とは限りませんので、志望校がなんの英語資格を対象とした優遇措置を設けているのか事前の確認が必要です。
優遇措置を受けられる対象の級を確認する
先ほどご紹介したように、中学校によって優遇措置の対象となる英検の級は異なります。
英語教育に特化している中学ほど求められる級数も高くなると言えます。
中学校の教育方針に関わるところですので、志望校選定の段階から優遇措置の対象となる級は必ず確認しておきたい点です。
中学受験を控えた小学生は何級を取得すればよいか?
ずばり志望校の優遇措置に合った級を取得すべきです。
ただし、英語教育に注力している中学校の場合は必然的に要求される級も高くなります。
級が高ければ高いほど加点が多くなりますが、準1級ともなると試験内容が大学レベルとなり、小学生にとってはかなりの負担になります。
幼少期から英語教育に注力してきたご家庭などは別ですが、無理により高い級を目指すのではなく、志望校の優遇措置に合った級を目指し、英検取得が過度な負担とならないようにすることが重要です。
そのためにも事前に志望校の入試要項を確認することが重要です。
年によって優遇措置の内容が変わったり、要求される級数が高くなる可能性もあります。
本記事では、中学受験における英検取得が有利になるのかについて紹介してきました。
中学校によっては入試で優遇措置があるため、志望校に英検取得者向けの優遇措置がある場合は積極的に取得したいところです。
ただし、英検取得に注力しすぎて他の教科が疎かになっては意味がありません。
英検取得のメリットと他の教科の勉強時間のバランスを考えながら英検取得を目指したいものです。
我が家の小学1年生の息子も英検4級取得に向け日々精進しております。
最後までお読みいただきありがとうございました。
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