大阪市の38歳の小学校の男性教員が、少なくとも計16回勤務校の他の教員の財布から窃盗を繰り返し、懲戒免職となったそうです。
金額にすると17万1千円…
教員が職場で同僚の財布から窃盗とは世も末ですね…
毎度この手のニュースを見るたびに思うのは、窃盗して懲戒免職による逸失利益と目の前の財布の金額とどちらの方が金額が大きいのか分からないのでしょうか…
本記事ではニュースの内容、大阪市の教師の懲戒処分事例についてまとめてみました。
ここ最近の教員のわいせつ事件の記事はこちらをご参照ください。
大阪市38歳小学校教員が窃盗で免職になったニュース
大阪市教育委員会の報道発表資料によりますと、大阪市立小学校に勤務していた38歳の男性主務教諭が、勤務校の他の教員の財布から少なくとも計16回、金額にして少なくとも17万1千円の現金を盗んだそうです。
盗みを行った期間は平成30年度から令和5年11月頃までとのことです。
随分長期間野放しになっていたんですね…(^^;
裏を返せばそれだけセキュリティが緩いんでしょうね。
そしてまさか同僚が盗むなんて…という思いがあったのではないでしょうか。
複数のニュース記事を見てみますと、現金の窃盗事件が発生していたものの、長期間原因がわからなかったそうです。
では何故今回発覚したのか?
気になりますよね。大阪市教育委員会の報道発表資料には発覚に至る経緯は記載がありません。
ニュース記事を確認すると、早朝の時間帯に窃盗で免職になった教員ともう一人の教員しかいない状態で、現金が盗まれたことに気付き、校長が問い質したところ自白したという経緯とのことです。
非常に申し上げにくいのですが、何故2人しかいない状態で盗んだのでしょうか…(^^;
浅はかというか…長期間盗みがばれなかったことで気が緩んでいたのでしょうか…
そして冒頭でも申し上げたとおり、たかだか約17万円で教職を失うなんて簡単な計算もできないのかと呆れてしまいます。
以下が教員の弁明です。
「お金に困っていました。同僚に合わせる顔がありません。反省の気持ちでいっぱいです」
引用:8カンテレ,”早朝出勤の「小学校教師」が同僚の財布から少なくとも17万円超の現金盗む 懲戒免職”,2024-2-5,https://news.yahoo.co.jp/articles/171d76d8bdc905e4176a9ff779f348a296aaf0c4
疑問なのがお金に困っていたとのことですが、平成30年度から令和5年11月頃まで盗んだのは少なくとも17万1千円です。
お金に困っていたならこれっぽちの金額を盗むことに意味があるのでしょうか…
それとももっと余罪があってもっと金額が大きいのでしょうか…
期間と金額を鑑みると、「お金に困っていた」というのは本当なのか怪しいなと思いました。
ばれないから盗んでたぐらいの感覚ではないのでしょうか。
気になるのが学校や現金を盗まれた教員は被害届は出さないのでしょうか?
懲戒免職にして「はい終わり」ではなく、刑事罰をしっかり与えて頂きたいです。
参考:大阪市,”報道発表資料 教職員の懲戒処分について”,2024-2-5,https://www.city.osaka.lg.jp/hodoshiryo/kyoiku/0000617924.html
教員の懲戒処分の種類について
教員の懲戒処分の種類には、戒告、減給、停職及び免職が存在します。
懲戒処分の基準などについてまとめた記事はこちらの記事を是非ご参照ください。
各自治体によって多少差はあるものの、大体似通ったような基準を定めております。
大阪市教育委員会の懲戒処分に関する指針について
大阪市教育委員会においても懲戒処分に関する指針を公表しております。
窃盗に関しては以下のような基準が示されております。
3 一般非行関係
(2) 横領、窃盗、詐欺、恐喝、脅迫、公務執行妨害、職務強要
これらの行為を行った教職員は、免職又は停職とする。
引用:大阪市教育委員会,”大懲戒処分に関する指針”,平成24年1月24日改正,
https://www.city.osaka.lg.jp/kyoiku/cmsfiles/contents/0000207/207405/tyokaisyobunn-shishinn.pdf
大阪市教育委員会の懲戒処分によれば、窃盗は免職又は停職となるようです。
今回免職となったのは、長期間にわたって繰り返し盗みを繰り返す常習性が悪質ととらえられたからではないでしょうか。
そもそもですが、「横領、窃盗、詐欺、恐喝、脅迫、公務執行妨害」これらの行いで、まだ停職となる余地を残しているのがおかしいと思うのは私だけでしょうか?(^^;
こんなことするような教員一発免職で良いのではないでしょうか。
こんなことする人を教壇に立たせられますか?
停職の余地があること自体おかしいのではないでしょうか。
他の自治体の懲戒処分基準は以下の記事を是非ご参照ください。
神奈川県の懲戒処分の基準はこちらの記事をご参照ください。
山形県の懲戒処分の基準及び退職金不支給を争った裁判についてはこちらの記事をご参照ください。
埼玉県の懲戒処分の基準はこちらの記事をご参照ください。
栃木県の懲戒処分の基準はこちらの記事をご参照ください。
2023年度大阪市の教職員の懲戒処分事例
大阪市教育委員会の報道発表資料から確認できる、大阪市の2023年度の教員の懲戒処分事例を下表にまとめてみました。
No. | 発令日 | 校種 | 職名 | 年齢 | 処分の程度 | 処分理由 |
1 | 2023/06/29 | 大阪市立小学校 | 首席 | 50 | 停職3月 | 令和3年5月から6月にかけて及び令和4年4月から11月にかけて、前任校の大阪市立小学校の教室、廊下、体育館または運動場において、14名の児童に対し、叩く・蹴る・立たせる等の体罰を46件行った。また、これらの行為について速やかに管理職に報告すべきところ、これを怠った。 |
2 | 2023/06/29 | 大阪市立小学校 | 校長 | 60 | 戒告 | No.1の体罰行為に対し、教育委員会への報告を怠った。 |
3 | 2023/07/18 | 大阪市立小学校 | 産休補助臨時講師 | 49 | 免職 | 令和5年5月23日(火曜日)に大阪府青少年健全育成条例違反で逮捕され、同年6月2日(金曜日)に起訴されたが、不起訴となったとの虚偽の報告をするために、同月16日(金曜日)に本来は検察庁が発行する不起訴処分告知書を偽造し、その写しを校長に提出して同年7月14日(金曜日)に有印公文書偽造同行使の容疑で起訴された。 |
4 | 2023/09/08 | 大阪市立小学校 | 管理作業員 | 49 | 免職 | 令和5年4月3日(月曜日)から同年5月31日(水曜日)までの間、年次有給休暇を取得し、年次有給休暇の残日数が0日となった同年6月1日(木曜日)以降も、再三にわたり出勤命令を受けていたにもかかわらず1月以上、正当な理由なく所定の勤務日に勤務しなかった。 |
5 | 2023/09/14 | 大阪市立小学校 | 教頭 | 43 | 免職 | ・令和2年5月から令和3年3月まで、勤務校において、椅子やパソコン等の物品購入及び屋根の廃材の廃棄ならびに学校施設の工事等(計44件)に際して、定められた手続きを経ることなく業者に口頭で発注し履行させる等、不適切な事務処理を行い、令和4年12月9日に停職1月の処分を受けた。・令和5年7月、大阪府警より教育委員会へ、被処分者が取り調べを受けている旨の連絡があり、教育委員会が被処分者に改めて事情聴取を行ったところ、被処分者による非違行為が確認されたため、改めて処分することとなった。・令和3年1月、事務用品納品業者に対し、勤務校の図書室用椅子の他、自宅用ベッドパッド1点及びステップチェア1点(総額82,100円)をある家具店から購入させ、それらの代金を全て勤務校の図書室用椅子購入代金として大阪市に請求するよう指示した。また、令和3年3月頃、同校の工事受注業者に自宅門付近外構工事(約1万円)を依頼し、無償で当該工事の施工を受けてた。 なお、令和3年11月当時、教育委員会による事情聴取の際、被処分者はこれらの非違行為について供述していなかった。 |
6 | 2023/10/31 | 大阪市立中学校 | 事務職員 | 34 | 停職6月 | 令和3年8月から令和4年8月までの間、少なくとも110回、勤務時間中に私用の買い物と飲食を行い、担当業務に従事せず、令和4年4月から同年9月までの間、認められていない原動機付自転車による通勤を常例的に12日行った。 さらに、前任校において平成29年度から令和元年度に、現任校において令和3年度、令和4年度に、不適正な契約及び不適正な事業者選定と学校事業資金における不適正な事務処理を行い、また、令和2年度に、前任校において修学旅行積立金の返金にあたり、無断で領収書に押印した。 |
7 | 2023/11/01 | 大阪市立小学校 | 教諭 | 24 | 停職3月 | 令和5年4月、大阪市北区の商業施設内のトイレにおいて、洗面台の上にあった他人の鞄を持って個室内に入り、鞄内の財布に現金2万円程度があることを確認したうえで、その鞄ごと窃取した。 |
8 | 2024/02/05 | 大阪市立小学校 | 主務教諭 | 38 | 免職 | 平成30年度から令和5年11月頃までの間、勤務校の職員室や更衣室において、他の教員の財布から少なくとも計16回、金額にして少なくとも17万1千円の現金を窃取した。 |
下表に処分件数をまとめてみました。
処分の種類 | 件数 |
免職 | 4 |
停職6月 | 1 |
停職3月 | 2 |
戒告 | 1 |
合計 | 8 |
確認できる限りでは、大阪市の2023年度の懲戒処分件数は8件あり、最も重い処分である免職処分が最多の4件でした。
他の自治体と比較して、大阪市の懲戒処分には特徴があります。
それはわいせつ行為よりも、金銭に関係した懲戒対象行為が多いということです。
実に8件中4件が金銭に起因する懲戒処分です。
これは地域性と言っていいのでしょうか…(^^;
様々な自治体の懲戒処分をまとめてきましたが、半数が金銭絡みなのは大阪市ぐらいです(^^;
特に凄かったのはNo.6の事案です。
影響を及ぼした金額は実に9,540,772円!
一人の職員が繰り返し不適切な契約事務を行っていたとのことですが、ダブルチェックとかないんですかね(^^;
不適切な契約事務は合計47件とのことですが、もはや適正に職務を遂行する能力が欠如しているとしか言いようがありません。
大阪市のホームページを確認したのですが、なぜこんなにも多くの回数不適切な契約事務を行ったかの動機が書かれておりませんでした。
単純に面倒くさかったのか…
また無断で領収書への押印処理を行うなど、常識的に考えてもそれはダメだろというようなことを行っていました。
能力的なところに問題があったのでしょうか…
大阪市の報道発表資料の「教職員の懲戒処分について」のページには、処分事由概要の後に対応策や再発防止策の記載欄があります。
対応策や再発防止策を下表にまとめてみました。
No. | 発令日 | 対応策・再発防止策 |
1 | 2023/06/29 | 今回の事案を受け、改めて教職員の一人ひとりが、勤務時間の内外を問わず公務員としての自覚を持って行動し、信用失墜につながる行為は厳に慎むよう周知徹底を図ります。 今後とも、服務規律の確保及びコンプライアンス意識の徹底に、より一層取り組んでまいります。 |
2 | 2023/06/29 | 同上 |
3 | 2023/07/18 | 今回の事案を受け、改めて、教職員の一人ひとりが勤務時間の内外を問わず、公務員としての自覚を持って行動し、信用失墜につながる行為は厳に慎むよう職員に周知徹底を図ります。 今後とも、服務規律の確保及びコンプライアンス意識の徹底に、より一層取り組んでまいります。 |
4 | 2023/09/08 | 今回の事案を受け、改めて、教職員の一人ひとりが勤務時間の内外を問わず、公務員としての自覚を持って行動し、信用失墜につながる行為は厳に慎むよう職員に周知徹底を図ります。 今後とも、服務規律の確保及びコンプライアンス意識の徹底に、より一層取り組んでまいります。 |
5 | 2023/09/14 | 今回の事案を受け、改めて、一人ひとりの教職員が勤務時間の内外を問わず、公務員としての自覚を持って行動し、信用失墜につながる行為は厳に慎むよう教職員に周知徹底を図ります。 今後とも、服務規律の確保及びコンプライアンス意識の徹底に、より一層取り組んでまいります。 |
6 | 2023/10/31 | 今回の事案を受け、改めて、一人ひとりの教職員が、公務員としての自覚を持って行動し、信用失墜につながる行為は厳に慎むよう、管理監督者及び全教職員に対して当事案の概要を共有するとともに、服務規律の徹底について周知を行ってまいります。 今後とも、服務規律の確保及びコンプライアンス意識の徹底に、より一層取り組んでまいります。 |
7 | 2023/11/01 | 今回の事案を受け、改めて教職員一人ひとりが、勤務時間の内外を問わず公務員としての自覚を持って行動し、信用失墜につながる行為は厳に慎むよう周知徹底を図ります。 今後とも、服務規律の確保及びコンプライアンス意識の徹底に、より一層取り組んでまいります。 |
8 | 2024/02/05 | 今回の事案を受け、改めて教職員一人ひとりが、勤務時間の内外を問わず公務員としての自覚を持って行動し、信用失墜につながる行為は厳に慎むよう周知徹底を図ります。 今後とも、服務規律の確保及びコンプライアンス意識の徹底に、より一層取り組んでまいります。 |
改めて見てみるとひどいですね…(^^;
コピペの嵐…
一つ一つ事案が異なり発生した背景や経緯も異なるのに対応策や再発防止策はコピペ…(^^;
具体性も無く抽象的な文言が書かれているだけです。
このコピペの嵐で教育委員会の体質がどういうものか良く分かるような気がします。
これまで同じことをしてきて同じように不祥事が起きているのですから、せめてコピペはやめるべきではないでしょうか。
コピペするぐらいなら、対応策や再発防止策の記載欄を無くし、処分の事実だけを記載したほうがまだましだと思います。
教育委員会内部では実際にどのような再発防止策を行っているかは不明ですが、対外的に発表する場で毎度のコピペでは信頼性が向上することは無いと個人的には思います。
なぜその不祥事が起きたのか、突き詰めて考えている姿勢が見られないのは残念ですし、信頼回復を本気で行う気があるなら、具体性を伴った再発防止策を記載すべきではないでしょうか。
信頼回復をする気が無いのかな…(^^;
先ほど申し上げたNo.6の事案だけ「管理監督者及び全教職員に対して当事案の概要を共有するとともに」という文言が追加されていました。
他の事案は共有しないの?(^^;
と思ってしまいました。
今後もコピペは続くよどこまでも~といったところでしょうか。
本記事ではニュースの内容、大阪市の教師の懲戒処分事例についてまとめてみました。
たかだか約17万円で職を失うとは…
目の前のお金に目が眩んで後先考えられないとはなんと浅はかな…という感想しか出てきません。
長期間ばれなかったから気が緩んでいたんでしょうね…(^^;
「その姿!親に見せられますか!」
最後までお読みいただきありがとうございました。
にほんブログ村