いよいよ首都圏の中学受験シーズン到来ですね!
時期的に考えると12月の千葉から口火を切り、その後1月に埼玉、2月東京・神奈川という流れになるかと思います。
2月の東京・神奈川の本命校を前に12月の千葉、1月の埼玉で受験慣れのために複数の中学校を受験される方も多いかと思います。
そして2月も過密スケジュールで何校も受験することになる方もいらっしゃるかと思います。
複数合格した場合に必要になるのが学校への辞退連絡…
我が家の場合は小学校受験でこの辞退連絡を経験いたしました。
「入学辞退の連絡は電話でいいの?」
と、思う方もいらっしゃるのではないでしょうか?
結論から申し上げますと、入学手続き完了後は、電話連絡にプラスして、各学校で追加の辞退方法があると考えておいたほうがよいです。
電話連絡せずに、各学校の所定の方法が定められている場合もあるようです。
本記事では、合格後の辞退方法や併願スケジュールと辞退のタイミングについてまとめてみました。
中学受験の入学辞退の連絡は電話でもいい?
冒頭でも申し上げた通り、入学完了後は電話連絡にプラスして、各学校の所定の方法で辞退の手続きを進める必要があります。
電話連絡が駄目というわけではなく、電話連絡にプラスアルファの手続きがあると考えておいたほう良いでしょう。
一例を挙げますと、明治大学付属中野中学校の場合は、入学手続き完了者を対象とし、入学手続き完了後に辞退をする場合は、電話連絡にプラスして所定の入学辞退届を提出するようになっております。
入学辞退届は郵送またはFAXで提出するよう指示があります。
参考:明治大学付属中野中学校,”中学入試 合格者ページ”,https://www.meinaka.jp/freshman/freshman-junior-high-school.html
入学手続き完了前であれば、もちろん電話連絡せずに入学金を納付しないだけで辞退可能な中学校もあります。
我が家の場合、長男の小学校受験の時のお話ですが、国立と私立の小学校をそれぞれ受験しました。
私立の小学校を受験し、合格を頂き、その後国立の小学校を受験してこちらも合格を頂いたので、私立の小学校に辞退の申し出をすることとなりました。
私立の小学校の方へまずは電話で連絡をしました。
すると任意の書式で構わないので、書面にて辞退する旨を提出するようご指示を受けました。
我が家が提出した辞退届については、後ほど詳述いたします。
ちなみに私立と国立の小学校受験は間が空いておりますので、私立の小学校から合格を頂き、入学金30万円を支払わないと合格が無に帰す状況でした。
我が家ではかなり悩みましたが、後の国立小学校受験で失敗した場合のことも考え、入学金30万円をお支払いしました…
しかしその後、国立の小学校に合格し、私立の小学校を辞退したため、もちろん30万円は返金されず…(´;ω;`)ウッ…
小学校受験と中学校受験で異なるものの、辞退のタイミングがいつかによって入学金が返金されないのは同じです。
事前に家族間で受験校の明確な優先順位付けをし、入学金を失っても席を確保しておきたい中学校なのかどうか今一度再考することをお勧めいたします。
中学受験合格後の辞退するまでの一般的な流れ
お子様が入学試験を受け、合格後に辞退するまでの流れとしては一般的には以下のような流れになるかと思います。(各校・各ご家庭の考え方によって異なる点はあるかと思います。)
以下は、志望校の中学校受験の前に安全校を受験して合格している想定です。
①安全校に合格
②志望校に合格
③志望校に入学金等所定の金額を納付
④安全校に入学辞退の連絡( or 入学手続放棄)
⑤安全校に所定の方法で辞退の届出提出
ここで肝になるのが①と②の間の期間です。
後ほど具体的なパターンでお示ししますが、①と②の期間が空いていると、①の合格で入学資格を確保するために入学金を支払うケースが出てきます。
我が家の小学校受験の場合はまさにそれ(´;ω;`)ウッ…
経済的損失を考慮した併願スケジュールを考えるのも一苦労です…
もっとも、経済的に余裕のある方々で、
「子供のために数十~数百万ぐらい払ってやらぁ~!!」
という気概の方には無関係なお話かもしれません。
我が家の場合、そんな余裕はございません(´;ω;`)ウッ…
東京都及び神奈川県の中学校を複数受験する場合の辞退までの流れ
東京都及び神奈川県の中学受験の解禁日は例年2月1日となっており、2月の頭に入学試験日が集中しております。
そのためお子様にとっては超過密スケジュールになることも…(;゚д゚)ゴクリ…
しかし、試験日が近いということは合格日も近く、入学金の納付期限も近いことを意味します。
以下、2025年度の東京都及び神奈川県の難関中学校の試験日、合格発表日、入学金締切日をまとめてみました。
学校名 | 試験日 | 合格発表日 | 入学金締切日 |
開成 | 2/1 | 2/3 | 2/4 |
麻布 | 2/1 | 2/3 | 2/4 |
武蔵 | 2/1 | 2/3 | 2/4 |
筑波大学附属駒場 | 1次 1/16 2次 2/3 | 1次 1/16 2次 2/5 | 2/11 |
海城 | ①2/1 ②2/3 | ①2/2 ②2/4 | ①2/2 ②2/4 |
駒場東邦 | 2/1 | 2/2 | 2/2 |
巣鴨 | ①2/1午前 算2/1午後 ②2/2 ③2/4 | ①2/1 算2/1 ②2/2 ③2/4 | ①2/2 算2/2 ②2/3 ③2/5 |
渋谷教育学園渋谷 | ①2/1 ②2/2 ③2/5 | ①2/2 ②2/3 ③2/6 | ①2/12 ②2/12 ③2/12 |
早稲田 | ①2/1 ②2/3 | ①2/2 ②2/4 | ①2/5 ②2/5 |
早稲田大学高等学院 | 2/1 | 2/3 | 2/4 |
慶應義塾普通部 | 2/1 | 2/2 | 2/3 |
浅野 | 2/3 | 2/4 | 2/4 |
栄光学園 | 2/2 | 2/3 | 2/4 |
聖光学院 | ①2/2 ②2/4 | ①2/3 ②2/5 | ①2/3 ②2/5 |
慶應義塾湘南藤沢 | 1次 2/2 2次 2/4 | 1次 2/3 2次 2/5 | 2/6 |
※巣鴨の「算」は算数選抜
こうして改めて表にして見てみると、難関校で2月1日の一発入学試験の中学校を受験する場合、お子様の学力、住居、行きたい学校等色々と考慮して選択するのも一苦労ですね(^^;
辞退までの流れは受験校によって様々になるかと思いますが、キーとなるのは2月1日に受験した場合の入学金締切日だと思われます。
早いところだと2月2日が入学金締切日となり、嫌でも30万円程度を支払わなければならないケースが出てくるということです。
出来ることなら入学金納付後の入学辞退は避けたいところ…(;゚д゚)ゴクリ…
トップレベルの中学受験者層の場合、開成と筑波大学駒場附属を併願するケースもあるかと思います。
受験スケジュールを図示するとこんな感じです。
正直なところこうやって調べるまで私は知らなかったのですが、開成の入学金締切日が2月4日に対して、筑波大学駒場附属の合格発表が2月5日…
開成を受験するレベルのお子様は筑波大学駒場附属も受験するでしょうから、開成の合格発表日に筑波大学駒場附属の入学試験を受け、開成の入学金支払いを受けるかどうかを考える方もいらっしゃるのでしょうか?
それとももう事前に開成に合格したら筑波大学駒場附属の入学試験の出来に関わらず、開成の入学金32万円は支払うと決めているのでしょうか…
開成と筑波大学駒場附属を両方受験するようなご家庭にとっては32万円程度は微々たるものなのでしょうかね…(^^;(偏見)
近年大躍進中の神奈川の聖光学院ですが、募集定員の多い第1回試験の入学金締切日は、開成よりも早い2月3日となっております。
開成と聖光学院の場合では、開成の合格発表が12時(正午)頃ホームページ上で行われ、開成に不合格で聖光学院に合格していた場合は、聖光学院に17時までに入学金30万円を支払えば良いので、5時間ほどの猶予があります。
この5時間のうちに事故等に遭ったら悲惨ですが…(;゚д゚)ゴクリ…
聖光学院は合格発表サイトから入学金決済サイトでのお支払いなので、そんな心配もほとんど無用ではありますが…(^^;
開成と聖光学院を両方受験される方は経済的な損失無しに考えることが可能です。
聖光学院同様近年躍進めざましい渋谷教育学園渋谷は、どの試験枠であっても2月12日まで入学金締切を待ってくれるので良心的なのかもしれません。
またどの中学校の場合も、2月1日以降の試験枠は募集定員が少なく、合格倍率は高くなる傾向にあります。
2月1日にどこを受験するかがその後の受験戦略を大きく左右しますね(;゚д゚)ゴクリ…
ちなみに2月2日に入学金締切日のある中学校は、個人的には…酷だと思います(笑)
千葉県と東京都の中学校を受験する場合の辞退までの流れ
続いて首都圏では12月から中学受験が開始される千葉県の場合について、辞退までの流れを考えてみたいと思います。
息子の通う早稲田アカデミーの塾長曰く、近年では開成等の受験者層が、市川や渋谷教育学園幕張を受験する受験者数が大幅に増加しており、かなりの激戦が繰り広げられているとのこと…(;゚д゚)ゴクリ…
地元の千葉の中学校に通うおうと考えている受験者達にとってはいい迷惑ですね(^^;
以下、2025年度の千葉県の難関中学校の試験日、合格発表日、入学金締切日をまとめてみました。
学校名 | 試験日 | 合格発表日 | 入学金締切日 |
渋谷教育学園幕張 | ①1/22 ②2/2 | ①1/24 ②2/3 | ①1/25 ②2/3 |
昭和学院秀英 | ①1/20午後 ②1/22 ③2/3 | ①1/21 ②1/24 ③2/3 | ①1/22 ②1/25 ③2/5 |
市川 | ①1/20 ②2/4 | ①1/22 ②2/4 | ①1/24 ②2/5 |
上記の中学校は、東京都及び神奈川の難関校を受験される方が、受験慣れするために受験する機会の多い中学校です。
受験慣れと言ってもどの中学校も非常に人気・実力・高校の大学進学実績は抜群ですが…
上記中学校は12月の試験はありませんが、推薦、専願の試験枠がある中学校は12/1から入学試験を実施しているところもあります。
1月と2月にそれぞれ試験の機会がある!
と思ってしまうのですが、渋幕の試験枠の募集定員はそれぞれ①が約215名、②が約45名となっており、1月の試験の方が圧倒的に募集定員が多いです(^^;
実際に2024年度の試験では、①の受験者が1969名に対し、合格者は665名で合格倍率は約3.0倍、②の受験者が521名に対し、合格者は68名で合格倍率は約7.7倍となっており、②の試験枠はかなり狭き門となっております。
そうなると1月の試験を優先させたくなりますよね…ただし入学金締切が1月25日…
入学金28万円を納入しなければならないのか…と思いきや、1月25日に5万円を納入することで2月3日18時まで延納することができます。
2月1日の開成を例にとるとこんなスケジュールのイメージになります。
5万円で合格の権利を保留できるなら安いもんですかね…
5万円払って2月3日を待って合格してたら渋幕を辞退…という流れがやはり多いのでしょうかね。
ちなみに市川の場合は下図のようになります。
市川も2月3日まで延納可能なのですが、着目すべきは延納のための金額が15万円…
渋幕の3倍…(;゚д゚)ゴクリ…
これを高いと考えるか安いと考えるかは、それぞれのご家庭の経済事情によるかと思いますが、やはり中学受験は湯水のようにお金が無くなっていくわけですよ(^^;
ちなみに2024年度の市川の場合、第1回目の試験は受験者数が2537人に対して、合格者数は1033人で合格倍率は約2.5、第2回目の試験は受験者数が517人に対して、合格者数は52人で合格倍率は約9.9倍とやはり第2回目の試験の方が倍率は跳ね上がります。
第1回目の試験を受け、保険として延納のための15万円で精神的な安定を手に入れられるならやはり安いのでしょうかね…(;゚д゚)ゴクリ…
完全に試験慣れのためと割り切って受けるのなら、1月24日で辞退ですね。
埼玉県と東京都の中学校を受験する場合の辞退までの流れ
続いて首都圏では1月から中学受験が開始される埼玉県の場合について、辞退までの流れを考えてみたいと思います。
やはり息子の通う早稲田アカデミーの塾長曰く、近年では開成等の受験者層が、特に栄東を受験する人が大幅に増加しており、もはや気軽に試験慣れのために受けろと言えない状況だとか…(;゚д゚)ゴクリ…
栄東も十分に魅力的な中学校なんですけどね(^^;
以下、2025年度の埼玉県の難関中学校の試験日、合格発表日、入学金締切日をまとめてみました。
学校名 | 試験日 | 合格発表日 | 入学金締切日 |
栄東 | ①A東大 ②A ③東大Ⅰ ④B ⑤東大Ⅱ | ①1/10 ②1/11 ③1/12 ④1/16 ⑤1/18 | ①2/7 ②2/7 ③2/7 ④2/7 ⑤2/7 |
大宮開成 | ①1/10 ②1/12 ③1/14 | ①1/11 ②1/13 ③1/15 | ①2/5 ②2/5 ③2/5 |
上記の中学校は、東京都及び神奈川の難関校を受験される方が、受験慣れするために併願受験する機会の多い中学校です。
すべての中学校がというわけではありませんが、千葉県と異なり埼玉県の中学校、特に東京都と神奈川の2月1日受験を予定している受験者が併願することの多い中学校では、入学金締切日が2月5日以降に設定されていることが多いです。
これは保護者からとってみると非常にありがたい入学金締め切り設定ですよね。
延納のための納付金も無し!
なんで千葉と埼玉でこんな差があるのでしょうか…
まるで千葉県の中学校ががめついかのような印象を受けてしまうのは私だけでしょうか(^^;
埼玉県の中学校を受験する場合は、多くの中学校で経済的な損失無しに辞退することが可能ですね。
辞退する連絡方法について知りたい
辞退する方法については、私の認識では以下のようなものがあるかと思います。
・入学金を納付しない(自動的に辞退扱い)
・所定の辞退届を提出(入学手続き完了後)
・Googleフォームでの辞退手続(入学手続の完了未完了問わず)(トキワ松学園中学校)
・miraicompassでの辞退手続(入学手続の完了未完了問わず)(浅野中学)
辞退の手続き方法や連絡も多種多様化してきております。
入学金を納付しなければ自動的に辞退扱いとなりますが、任意で辞退届を提出して明確に辞退の意思を示すのもトラブル回避にはなるかとは思います。
募集要項や直接中学校に入学金納付前の辞退届の必要の有無については確認しておいたほうが良いでしょう。
入学金を納めた後に辞退手続きをする場合は、多くの場合で中学校に電話連絡し、所定の辞退届の提出を求められます。
個人的にはGoogleフォームとかmiraicompassで気軽に辞退できるのはありがたいですね(笑)
ただし、辞退届にはどこの中学校に進学するのか記載を求められることがほとんどのようです。
辞退届の様式指定の無い中学校の場合はどうすれば良いのか?
一番困るのが任意の書式で辞退届の提出を求められた場合ではないでしょうか?
私も長男の小学校受験で任意で構わないから辞退届を提出するよう求められました。
その経験を活かして参考例を作成いたしました。
参考例については、当ブログの過去の記事に掲載しておりますので、是非そちらをご参照ください。
本記事では、合格後の辞退方法についてまとめてみました。
辞退の方法と言っても各校で多種多様化しておりますので、募集要項及び中学校に直接連絡して確認が基本となります。
都道府県を跨いで併願スケジュールを考えると、辞退のタイミングって難しくなりますよね…(^^;
千葉県の中学校も埼玉県を見習って入学金締切を2月以降にしてくれたら良いのに…
最後までお読みいただきありがとうございました。
勇者たちの中学受験レビュー記事は是非こちらの記事をご参照ください。