6月25日日曜日のテレビ朝日の「ナニコレ珍百景」で高知県にあるいの町立本川中学校の山村留学について特集が組まれていました。
iPhone等のスマホやパソコン禁止で一日の自由時間は1時間という寮生活は一見すると厳しいように思えましたが、自然豊かな環境で生徒同士で協力し合って寮生活する様は一般的な中学校では得られない体験だなと思いました。
ふと高知県内には他に山村留学の受入を行っている学校はないかと思い調べてみたところ、以下の学校でも受入を行っておりました。
・大川村立大川小中学校
・馬路村立魚梁瀬小学校、中学校、保育所
本記事では馬路村立魚梁瀬小中学校及び馬路村立魚梁瀬小中学校の山村留学について調べてまとめてみました。
ナニコレ珍百景で紹介されたいの町立本川中学校について山村留学の記事についてはこちらをご参照ください。
大川村立大川小中学校の山村留学の記事についてはこちらをご参照ください。
\ \ 6月25日(日)よる7時 #ナニコレ珍百景 / /
— ナニコレ珍百景【公式】毎週日曜よる7時OA (@nanikore_ex) June 23, 2023
🗾高知県いの町・公立中学校なのに全寮制?🏫
🗾兵庫県姫路市・シャボン玉の『道具』でギネス世界記録💭
🗾徳島県石井町・街ブラロケ番組のMCがまさかの・・・🎥#ネプチューン #サバンナ #桜井日奈子 #斎藤ちはる
お楽しみに✨ pic.twitter.com/8VVQX1ot07
山村留学について
山村留学のルーツは昭和51年に長野県八坂村において、公益財団法人育てる会の教育実践活動として日本で初めてシステム化された教育活動です。
多くの山村留学では大自然の中で生きる力を身に付けることを大きな目標としており、その他地域の実情に合わせて様々な山村留学が日本各地で行われております。
共通点としては都会と親元から離れ、自然を身近に感じる環境下で自然の恵みを感じつつ、自然の厳しさも体験できることでしょうか。
中学受験が過熱している都心部とはまた一味違った教育を体験できることと思います。
小学生だからこそ自然から感じられることも多くあるのではないでしょうか。
先ほど親元から離れる、と申し上げましたが山村留学には大きく以下の4つの方式があるようです。
1.学園方式:月の半分を寮で生活し、残りの半分を地域の家庭にホームステイする。
2.ホームステイ方式:年間を通して地域の家庭にホームステイする。
3.寮方式:年間を通じて寮で生活する方式。前記事で取り上げたいの町立本川中学校で地元生以外はこの方式です。
4.家族方式:家族で転居して生活する。
山村留学先の学校はほとんど小規模校であり、教職員からのきめ細やかなサポートを受けることが可能です。
また地域の特色を活かした体験学習が豊富で、この体験学習こそが山村留学の醍醐味と言っても良いのではないでしょうか。
ただし山村留学を途中で断念する子供もなかにはいるそうです。
本人は希望していないのに保護者が無理矢理山村留学に行かせてしまった場合等は途中で断念してしまったケースもあるようです。
やはり山村留学前に家族間でよく話し合い、山村留学の目的を明確にして参加する必要があるようです。
馬路村立魚梁瀬小中学校
いの町立本川中学校で山村留学を受入していることを知り、高知県内の他の学校でも山村留学の受入を行っているのか気になって調べてみました。
本記事では、高知県安芸郡馬路村にある馬路村立魚梁瀬小中学校についてまとめてみました。
馬路村について
地図を見ると分かるように、いの町同様深い山間部に馬路村は存在しています。
馬路村振興計画によると令和2年の段階で総人口は745人と大川村と同様1000人もいません。
出典:高知県馬路村, “馬路村振興計画”,令和4年3月,https://vill.umaji.lg.jp/wp/wp-content/uploads/2022/04/016a8f9940d1de574b2c52ff01be7ccf.pdf(参照日 2023-8-12)
1960年の3425人をピークに人口は減少の一途を辿っているようです。
令和2年段階の高齢化率は40.9%とかなり高齢化が進んでいるようです。
いの町、大川村同様に山々に囲まれておりますが、いの町、大川村よりも集落の規模は大きいように見受けられます。
面積 | 165.48 km2 |
総人口 | 745人世帯数:376世帯(2020年時点) |
人口密度 | 4.36人/km2 |
村の木 | ヤナセスギ |
村の花 | ユズ |
村の鳥 | オオルリ |
村長 | 山﨑出 |
馬路村の公式ホームページはこちらです。
村の公式ホームページを見るとまず目に飛び込んでくるのは「ゆず」です。
村の花にもゆずが指定されております。
馬路村のゆず栽培の歴史は古く、昭和41年(1961年)の栽培が村内で奨励されたことが始まりのようです。
その後昭和54年(1979年)にゆずの加工品開発が始まり、昭和63年(1988年)に「ポン酢しょうゆ・ゆずの村」が「日本の101村展」で最優秀賞を受賞、平成2年(1990年)には、馬路村公認飲料「ごっくん馬路村」が「日本の101村展」で農産部門賞を受賞したとのことです。
かなりゆずと結びつきの強い村であることが窺えます。
馬路村立魚梁瀬小中学校について
馬路村立魚梁瀬小中学校は馬路村の集落北部に位置し、周囲は山々と奈半利川に囲まれています。
所在地 | 高知県安芸郡馬路村大字魚梁瀬10-149 |
アクセス | 土佐くろしお鉄道安芸駅からバスで「馬路」または「魚梁瀬」下車(それぞれ約50分と約30分) |
設立年 | 平成16年(町村合併) |
生徒数 | 【小学校】 1学年:4名(1名) 2学年:1名 3学年:3名(2名) 4学年:1名 5学年:3名(1名) 6学年:1名 小学校計:13名 【中学校】 1学年:1名 2学年:3名(1名) 3学年:0名 中学校計:4名 ※平成29年度のものしか見当たりませんでした。 ※括弧内は山村留学生の内数 |
教職員 | 15名 |
やはり山村留学をする学校ですのでアクセスは中々大変なようですね(^^;
というか大自然の中で行われる山村留学ならば、アクセスに時間がかかるのは当然ですよね。
馬路村立魚梁瀬小中学校の現在の校舎は平成11年に落成したようで、校舎は魚梁瀬杉をふんだんに使用しているとのことです。
なんだか杉の良い香りがしそうですね。
校舎は趣がありつつも、ガラス張りの部分もあり、古い部分と新しい部分がいい具合に混ざったような感じに見受けられます。
学校のホームページでも紹介されていますが、なんと校舎直結の滑り台が!
ストリートビューを見ると何気に皆さんグーグルの車に注目していますね。お巡りさんらしき人がいて、自転車の講習会か何かでしょうか?
山の学校留学制度(山村留学)について
馬路村での山村留学は、山の学校留学制度と呼ばれています。
パンフレットは魚梁瀬インフォメーションと魚梁瀬保小中の紹介、山の学校体験入学の紹介の2部構成となっています。
目的はやはり豊かな自然環境での教育を掲げており、個性重視の教育についても言及しています。
また魚梁瀬の児童生徒の人間関係を広げることも目的としているようです。
さらに近年には珍しく、競争心を持つことで自己の向上心を育むことも目的としています。
横並びの教育を重視する近年において、競争心を目的として掲げているのは中々魅力的ですね。
横並びの教育をしたところで、世の中は競争に満ちています。
小さいころから競争心を養う姿勢は大事だと思います。
大川村とは異なり、留学児童生徒は保護者との同居を条件としているようです。
対象者は保育~中学校2年生までです(馬路村立魚梁瀬保育所もあります)。
そして対象者が今までの山村留学と異なるのが、「強い登校意欲や勉学意欲をもちながらも、いじめ等により通常の登校が阻害されている児童生徒。」という点です。
対象者に関していじめについて言及した募集要項を初めてみました。
馬路村での山村留学はいじめ被害者の救済的な側面もあるようです。
こういう制度がもっと普及し、気軽に利用できるようになるといいのですが…。
いじめの一番の解決策は「いじめ加害者と物理的な距離を取る」、これに尽きると思いますので…。
留学用住宅は山の学校留学制度推進委員会が斡旋してくれるらしく、月額なんと1,000円から!
最高でも10,000円!
どんな住宅か気になりますが破格ですね。
ただし、留学の受入の諾否は面接により決定とあり、留学不可となる場合もあるようです(^^;
面接に落ちた人っているのでしょうか…。気になりますね。残念ながら合否結果は公表されていないようです。
本記事では馬路村立魚梁瀬小中学校及び馬路村立魚梁瀬小中学校の山村留学について調べてまとめてみました。
いの町、大川村と同じく大自然の中で伸び伸び学ぶことができそうです。
また募集要項に記載されているように、いじめにより通学が阻害されている児童生徒を対象としていることから、いじめに悩んでいる児童生徒本人やその保護者の方々は山村留学を検討してみるのもいいのではないでしょうか。
いじめの最大の解決策は「物理的に距離を取る」ことだと個人的には思います。
いじめ加害者にいくら言っても無駄なことはこれまでのいじめを起因とした数々の事件からも自明です。
いじめ加害者のせいで人生を台無しにしてほしくないです。
環境を変えることも選択肢の一つとして考えることは悪くないと思います。
最後までお読みいただきありがとうございました。
にほんブログ村