本作のテーマ
中学受験から大学受験まで子供の学習効率をいかに向上させるかについて佐藤亮子氏(以下「佐藤ママ」)流のノウハウを読者に共有するのが本作のテーマだと考えました。また佐藤ママなりの子供への接し方なども随所に示されております。
本作を読んで得られるもの
本作では学習効率向上のための細かなテクニックが記載されています。
良いと思ったテクニックは個別に各家庭で導入するのも良いと思います。
著者のプロフィール
・著者・・・佐藤亮子、子供4人全員を東京大学理科Ⅲ類合格へ導く
・津田塾大学学芸学部英文学科卒業
・大分県内の私立高校で英語教師として2年間勤務
・テレビや雑誌への出演多数(フジテレビのバイキングへの出演経験もあり)
先日読んだ「灘→東大理Ⅲ3兄弟の母が教える中学受験」でも示されていましたが、非常に無駄なく効率を突き詰めて考えてらっしゃる方だと思いました。
無駄を無くすことを頭で理解していても実行するのは中々難しいもの…。
それを実行して子供全員を東大理Ⅲへ合格させたのは、子供への愛情がなせる業なのではないでしょうか。
「灘→東大理Ⅲ3兄弟の母が教える中学受験」のレビュー記事も是非ご参照ください。
本作の概要
本作は全9章で構成されています。
本作は第1章及び第2章で、佐藤ママの一番下の子供の娘さんの話がメインとなっており、東大理Ⅲまでの合格の道のりが記載されています。
これまでの男の子とは違う戦略で受験に挑み、非常に臨機応変で柔軟な対応が見て取れます。
その他未就学児の学習方法、小学生の学習方法、中学・高校時代の学習方法など中学受験に特化せず、幅広い年代に対応した学習方法のノウハウが記載されています。
「灘→東大理Ⅲ3兄弟の母が教える中学受験」のレビュー記事でも記載しましたが、やはり佐藤ママの取り組み内容は、専業主婦向けであることは否めないので、取り入れられそうな部分だけを参考にするのが良いと思います。
参考になったポイント
個人的に本作を読んで参考になったポイントについて記載したいと思います。
スケジュールの立て方
大人になれば誰しも当然のように行ってはいるとは思いますが、逆算してスケジュールを立てるやり方を学習計画を立てる際にも取り入れている点です。
子供は単に勉強をしなさいと言われても、小学生のうちは行き当たりばったりで無計画に勉強してしまうことが多いと思います。
そこで佐藤ママは、スケジュールを立てるのを手助けし、無駄なく無理のないスケジュールを立てて子供の学習効率を上げています。
単純に勉強だけではなく、スケジュール管理という一生涯必要とするスキルを子供に授けていると言えるのではないでしょうか。
勉強に対するハードルを下げる
我が家では子供部屋を設けており、そこに学習机を置き、そこで子供は勉強するようにしています。
たまにリビングで勉強したりすることもありますが、子供部屋で勉強する方が多いと思います。
本作ではリビング学習を推奨しており、それは食事が終わった後などにすぐに学習机に向かえる環境にすることで、学習へのハードルを下げるとのことでした。
これは確かに有効な方法だとは思いつつ、リビングで集中できるのかという疑問もあります。
私自身が静寂な環境下で集中したいタイプなので、これは人によるとしか言いようがないと思います。
リビング学習が息子に合うかどうか、実験的に取り組んでみたいと思いました。
徹底した繰り返し学習
佐藤ママの娘さんは、東大合格に向けて100年分の過去問を解いたそうです。
100年分とは各予備校の東大模試の過去問の合計で100年ということです。
また、小学生時代は市販のドリルを根こそぎ購入してやっていたそうです。
こんな豪快に購入してみたいものですが、費用が気になり我が家では躊躇してしまいますね…(^^;
とにかく繰り返し、しつこいぐらいに完璧のさらに上を目指して取り組んでいることが本書を読めば伝わってくると思います。
裏を返せば、完璧超人ぐらいじゃないと東大理Ⅲ合格は難しいと言うことですよね(^^;
他の子供と比較しない
これは単純に子供が傷つくからという理由ではなく、自分の子供をよく見つめるためだとのことでした。
比較せずに自分の子供をよく見ると、得意な分野や苦手な分野など細かい部分が見えてきて、それを伸ばしたり克服したりするための方策が立てやすくなるそうです。
確かに比較するだけで子供の本質を見抜けなかったら次にどうするかが見えてこないので、確かにその通りだと思いました。
本作を今後どう役立てたいと思ったか
本作を今後我が家でどう役立てたいかを下記にまとめてみました。
学習へのハードルをいかに下げるか
我が家の長男は勉強をするときに中々エンジンがかからないタイプで、いつも時間を浪費しています。
その結果、遊べる時間が無くなりイライラするという悪循環に陥っています。
そのため勉強自体が嫌いになるのではないかというのがここ最近の悩みです。
本作では学習へのハードルを下げるためにリビング学習を提唱しておりますが、その他にも学習へのハードルを下げる方策はあると思います。
佐藤ママも本作で推奨しておりますが、現状我が家では音声教材を取り入れており、隙間時間に聞かせるようにしています。
その他にも学習へのハードルを下げる方策がないか継続して模索していきたいと思いました。
自立の意味の捉え方を変える
子供が自立的に学習するのが理想だとは思いますが、中々自立的に学習するようになるまでは難しいと思います。
ついつい「勉強しなさい!」と言ってしまいがちですが、当然それでは子供には響きません…。
それは日々実感中ですが…(^^;
本作では自立という言葉を盾にして親が手を貸さないのは間違っていると明言しています。
また、佐藤ママは最初は親がやってあげて、見せてあげることを推奨しています。
本作を読んで私は以下の山本五十六の言葉を思い出しました。
「やってみせ、言って聞かせて、させてみせ、ほめてやらねば、人は動かじ。話し合い、耳を傾け、承認し、任せてやらねば、人は育たず。やっている、姿を感謝で見守って、信頼せねば、人は実らず。」
山本 五十六
いつの時代も人を動かすにはまず手本が大事で、褒めることが秘訣だと良く分かります。
普段仕事をしていて、若手を指導する立場としては身につまされる思いです(^^;
読んでもらいたい人
子供の学習方法で悩まれている保護者の方には一読の価値はあると思いました。
幼いころから大学受験に至るまで具体的な内容が詰まっている本作は、参考になる部分が多数あると思います。
佐藤ママもまたそのお子様方も多大なる努力をしていることも良く伝わってきます。
「上には上がいる」と良く言いますが、現時点で子供の学力向上のために自分の行っている取り組みと、佐藤ママの取り組みを比較して、「上には上がいる」を実感されるのも良いでしょう。
子供の学習方法などについて見識を広める上では確実に役立つと思います。
まとめ
本作は幼少期から大学受験までの具体的かつ詳細な佐藤ママの取り組みが記載されており、大変参考になりました。
良いと思ったところは取り入れ、我が家なりの子供の学習スタイルを築いていきたいと思いました。
私が本作で参考になったポイントは下記の点についてです。
・スケジュールの立て方
・勉強に対するハードルを下げる
・徹底した繰り返し学習
・他の子供と比較しない
また、今後本作をどう役立てたいかは下記の点についてです。
・学習へのハードルをいかに下げるか
・自立の意味の捉え方を変える
本作の内容が各ご家庭に必ずしもマッチするとは限りません。
共働き世帯には取り組めない内容も多いと思います。
佐藤ママの考え方はそういう考え方もあると受け入れて、参考にしたいと思ったら参考にすれば良いと思います。
ただし、子供のことを第一に考えている姿勢というのは誰しにも共通する点だと思いますので、子供のことを第一に考えた結果が本作の内容だと思えば、納得できる部分も多いと思います。
どの学習スタイルが正解というのは無いと思いますので、自分の知っている世界を広げるというラフな感覚で本作を読んでみてはいかがでしょうか。
本レビューが少しでもお役に立てれば幸いです。
最後までお読みいただきありがとうございました。