「シャーペン使っただけなのに…」
Yahoo!ニュースを見ていたところ、また教師の不祥事です。
シャーペンを使用していた児童を注意したところ、ランドセルにしまわなかったことに腹を立て、腕を掴み、抵抗した児童が転倒して頭を打ち全治3週間の怪我を負ったとのことでした(^^;
シャーペンを使用させたくないからって全治3週間の怪我を負わせるって…
この教師は減給処分となったようです。
そもそもここまでシャーペン使用禁止に固執したのって何故なのでしょうか?
本記事ではニュースの内容や小学生がシャーペン使用禁止の理由などについてまとめてみました。
シャーペン使用禁止で体罰まで発展した事件のニュースについて
9月26日のYahoo!ニュースで、兵庫県宝塚市の小学校で女性教諭が体罰による減給10分の1(3カ月)の懲戒処分となったニュース記事を拝見しました。
懲戒処分の原因を見てみるとこれまたしょうもない…(^^;
授業中にシャーペンの使用を禁止している学校のようで、シャーペンを使用している児童を注意したところ児童は筆箱にしまったようでした。
しかし手が届かないランドセルにしまうよう指示したところ、児童が従わずそれに腹を立てて右腕を掴みシャーペンを取り上げたようです。
さらに鉛筆を使用する旨のルールを記載した教室内の掲示を確認するよう指示したが児童がこれに従わず、手首を掴んで無理矢理掲示の前まで連れて行こうとした際に、児童が抵抗して転倒し、頭を机に打ったようです。
この結果、児童は腕の皮下出血、肩の捻挫などで全治3週間の怪我を負ったようです。
肩が捻挫するって相当強い力で掴まないとならないと思うのですが…(^^;
手首を無理矢理掴んで掲示の前まで連れていく必要があったのでしょうか?
シャーペンの使用を止めたのですから、掲示にも書いてある旨を伝えて授業を円滑に進めるほうが重要だと思います。
また筆箱にしまったのだから、ランドセルにまでしまわせる必要があったのでしょうか。
ニュース記事の中でこの女性教諭は「シャーペンをしまう指導に固執した」と言っていたようですが、ここまで固執した挙句児童に怪我をさせるなんて異常だと思います。
相当怒りの沸点が低いように見受けられますし、固執するところを明らかに間違えていると思います。
教員の人員不足がよくニュースになっておりますが、教員の質の低下にもっと目を向けたほうが良くないでしょうか?
正直こんな怒りの沸点が低い人と同僚にはなりたくないですし、保護者からしたら関わりたくないですね。
色々と突っ込みどころ満載のニュースでした。
腕つかみシャーペン取り上げ… 体罰で児童負傷、教諭を減給処分https://t.co/JrcQBJVunM
— 毎日新聞 (@mainichi) September 26, 2023
児童は腕の皮下出血や肩の捻挫などで全治3週間の軽傷。児童らが保健室で養護教諭に訴えて問題が発覚しました。
多くの小学校でシャーペン使用を禁止しているのか?
ここで疑問に思うのがどのぐらいの数の小学校がシャーペンの使用を禁止しているのかということです。
私が小学生時代は正直なところ明確なルールは無かったように記憶していますし、ましてやわざわざルール化して掲示してあるなんてことはありませんでした。
時代の流れなのでしょうか…
こちらの文献ではこのような記載がありました。
2)学校での対処
ここで最も多かった回答は、「学校全体でできるだけ使用しないようにさせている」が全体の 3分の1弱、次の「担任の判断に任せている」が僅差で続き、追って 「学年によって異なっている」、「特に何もしていない」、「学校全体で全面的に使用を禁止している」とい う順になっている。また、「学校全体で積極的に使用させている」という回答はなかった。
引用:鳥宮暁秀,杉崎哲子(2005.3) , “シャープペンシル指導の体系化への提言”,静岡大学教育学部研究報告 (教科教育学篇), 第 36号, p41~ 52, https://shizuoka.repo.nii.ac.jp/?action=repository_action_common_download&item_id=7427&item_no=1&attribute_id=31&file_no=1
調査対象が限定的ではあるものの、153名からの回答なので参考にはなるのではないでしょうか。
こちらの2005年の文献からは、学校側が小学生にはシャーペンを使用させないようにしていることが窺えます。
さらに調べてみたところ面白い調査があったので以下引用します。
シャープペンの使用を禁止している小学校が多いため、主に塾や自宅で使っているケースがほとんどです。
また、シャープペンを使い始めた学年に関しては、小学校の3、4年生からが多く、字を書くことに慣れてきたころに鉛筆からシャープペンへ移行する傾向がみられます。しかし、1年生から使っている子どもも約2割います。
引用:ZEBRA, “「小学生はシャープペンでなく鉛筆」はもう古い!?<小学生のシャープペン使用実態調査>”, 2015年5月,
https://www.zebra.co.jp/press/20151222_2/?tab=oc-nav-sustainability
引用:ZEBRA, “「小学生はシャープペンでなく鉛筆」はもう古い!?<小学生のシャープペン使用実態調査>”, 2015年5月,https://www.zebra.co.jp/press/20151222_2/?tab=oc-nav-sustainability
引用:ZEBRA, “「小学生はシャープペンでなく鉛筆」はもう古い!?<小学生のシャープペン使用実態調査>”, 2015年5月,https://www.zebra.co.jp/press/20151222_2/?tab=oc-nav-sustainability
どれぐらいの小学校で明確にシャーペン使用禁止をルール化・校則化しているかは不明でしたが、多くの小学校でシャーペン使用禁止にしているのが実態のようです。
また上の円グラフは全国の小学生300人を対象としたアンケート調査なのですが、実に半数はシャーペンを使用しているようです。
さらに横棒グラフからも分かるとおり、小学1年生からでも使用しているケースが約2割存在しています。
小学生だから絶対鉛筆を使用するというわけでも最近はなさそうです。
小学生のシャーペン禁止の理由は?
そもそも小学生がシャーペンを使用してはいけない理由とは何でしょうか?
先ほどの文献から以下引用します。
使用禁止の場合その理由に「シャープペンシルは折れやすいから」を挙げた人が最も多 く半数近くに上っている。
引用:鳥宮暁秀,杉崎哲子(2005.3) , “シャープペンシル指導の体系化への提言”,静岡大学教育学部研究報告 (教科教育学篇), 第 36号, p41~ 52, https://shizuoka.repo.nii.ac.jp/?action=repository_action_common_download&item_id=7427&item_no=1&attribute_id=31&file_no=1
これは確かに筆圧のコントロールの未熟な小学校低学年では確かにそうだなと納得できる理由ではありますね。
芯を折りまくっていたら授業どころではないですし、お金がかかってしょうがないですよね(^^;
他に数名が「高価だから」「指導法が分からないから」「教科書に記載 されていないから」を挙げている。以上はこちらから用意 した選択肢だが、「その他」には次のように記入されている。
・筆圧がかからないから ・薄いから ・カチャカチャ手遊びになるから
・ 字が小さくなるから ・ 持ち方が曖味になるから ・小学生には必要ないから
・これだけ普及 しているのだから など
また一部ではあるが、「シャープペンシルだと手指の運動面から脳の発達によくない」、「小さく薄い字だから視力が低下する」、「シャープペンシルは肩こりの原因になり姿勢に影響する」 とい うような偏った見方もあった。
引用:鳥宮暁秀,杉崎哲子(2005.3) , “シャープペンシル指導の体系化への提言”,静岡大学教育学部研究報告 (教科教育学篇), 第 36号, p41~ 52, https://shizuoka.repo.nii.ac.jp/?action=repository_action_common_download&item_id=7427&item_no=1&attribute_id=31&file_no=1
字が薄くなるのは濃い芯を使用すれば解決な気もします(^^;
「小学生には必要ないから」
「シャープペンシルだと手指の運動面から脳の発達によくない」
「シャープペンシルは肩こりの原因になり姿勢に影響する」・・・(^^;
これらの回答に関しては、「それってあなたの感想ですよね?」と思わず言いたくなりますね。
シャーペンで肩こりになるなら鉛筆で肩こりにならないのは何故なのでしょうか?脳の発達との因果関係は?小学生には必要ない?
知識の乏しい私には分かりません(^^;
このアンケートの回答者は教師なのですが、まったく合理的な理由でなく笑ってしまいます。
教師も玉石混交だということが、アンケートの回答一つで分かるのは実に興味深いですね。
教師側も生徒同様に定期的なテストを設けたほうが良さそうですね。
アンケート結果が切り取られている可能性もありますので、きちんと理由を付けた上で小学生には必要ないから等と言っているのであればまだマシですが…。
他にネット上の意見も鑑みると、筆圧の問題、鉛筆よりも高価で盗難等のトラブルの原因になる、手遊びしてしまい授業に集中できない、と言ったところがメインのシャーペン禁止の理由になるのでしょうか。
校則でシャーペンの使用を禁止しているのか?
今回のシャーペンの使用禁止を発端とした体罰事件では、教室の掲示にシャーペン禁止のルールが記載されているとのことでした。
ニュースを読む限りだと校則として設定されたルールのようには読み取れませんでした。
では校則としてシャーペン使用禁止を謳っている小学校はあるのでしょうか?
調べてみましたが残念ながら校則で明文化している小学校を見つけることはできませんでした。
校則というよりも、現場裁量で設けられたルールと言ったところでしょうか?
以前当ブログで取り上げたブラック校則に関する記事は是非こちらの記事をご参照ください。
シャーペン使用に関する文部科学省の指導は?
校則で明文化されていないのであれば、文部科学省の指導ではどうなっているのか調べていました。
検索しても文部科学省のページからは、シャーペン使用についてのルール等を発見することはできませんでした。
また、以下のような記載がありました。
文部科学省では特に小学校で使用する筆記用具の指定はしておらず、シャーペン禁止を明文化している学校もほとんどないようだ。
引用:リセマム, “【話題】小学生シャーペン禁止の謎、文科省の指導や校則は?”, 2016-6-30, https://resemom.jp/article/2016/06/30/32371.html
文部科学省では小学校の筆記用具の指定はしていないとのことで、各小学校のやはり裁量に任されているようです。
ちなみに文部科学省にシャーペン使用に関して問い合わせをされた方がいたようですが・・・
無視されたとのことでした(笑)
本記事ではシャーペン使用禁止に起因した体罰事件のニュースの内容や小学生がシャーペン使用禁止の理由などについてまとめてみました。
シャーペン使用禁止は文部科学省の指導ではありませんし、校則で明文化されているようなものでもなさそうです。
あくまで各小学校の現場の裁量でルール化されているにすぎないと思われます。
またシャーペン使用禁止の主な理由としては、筆圧の問題、鉛筆よりも高価で盗難等のトラブルの原因になる、手遊びしてしまい授業に集中できない、と言ったところが挙げられます。
色々と考えがあってシャーペン使用禁止を掲げているのならばまだいいのですが、上から言われたからそれに従っているだけ、というのは止めて頂きたいです。
なぜシャーペンを使用禁止なのかを普段から明確に生徒に伝えていれば、今回のような体罰事件も避けられたのではないでしょうか。
ただ単に「ルールだから!」とこの教師が生徒に言っていただけだとしたら、教師には向いていないと思います。
「シャーペンをしまう指導に固執した」と証言していることからも、なぜシャーペンが使用禁止なのかを考えたことがなさそうに思えます。
最後までお読みいただきありがとうございました。
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